ギルドバトル、裁きの試練、ギルドレイド―――。
ギルドとして協力して挑むコンテンツに置いて、常にトップクラスの成績を残していらっしゃるギルド、フローズヴィトニルにてギルマスを務めるソウケンさんへのインタビュー企画。
後編となる今回は、トップギルドを率いるギルマスとしての、ソウケンさんの人物像に迫ってみたいと思います!
ギルマスの継承
カーナ
ギルマスが初代のまこすけさんからえごいすとさんに変わり、そしてソウケンさんへとバトンが渡されることになるわけですが、ソウケンさんがギルマスになったのはいつ頃でしょう?
ソウケン
正確には覚えていないのですが、おそらく夏くらいだったかと。えごいすとさんが脱退することになり、サブマスの誰かがギルマスに、ということで私になりました。
カーナ
どのような経緯でソウケンさんがギルマスになられたんですか?
ソウケン
えごいすとさんと、サブマス同士で話し合って。別に誰でもいいからとりあえず自分がなっておくか、みたいな感じでした(笑)
カーナ
軽っ!(笑) 端から見ると、既にトップギルドになっていて追われる立場にあるギルドのギルマスに就任するって、結構重たい決断なんじゃないかと思うんですが、そんなことはなかったんですか?
ソウケン
正直、トップギルドだからといって特に重圧はなかったですね。当時からフローズはギルド協力型イベント(ギルバト、裁きの試練など)は、常にみんなで協力するという方針があり、それに沿ってギルド運営を継続すればいいだけだったので。
カーナ
あー、なるほど! 外から見れば「トップギルドのギルマスになるなんてすごい」と思ってしまいますが、中にいたソウケンさんからすれば「ただ今まで通り継続するだけ」っていう感覚になるんですね。
ソウケン
そうですね。私がギルマスになった時には、既にギルバトでもトップに立っていて、裁きの試練も走り方が確立されていたので、特に私になって大きく方針を変えたりはしてないですね。
カーナ
ちょっと変な聞き方になるかもしれないんですが、「トップギルドとしてのふるまい」みたいなものを意識したことはありますか?
ソウケン
私がギルマスになってからギルメンによく言うようになったのは、同じゲームをしている他ギルドの人をSNSで煽ったりしないということですかね。それまでは結構、フローズはやり合うのが好きな人が多かったので(笑)
カーナ
確かに(笑)
ソウケン
やっぱり外から見ていて気持ちのいいものではないし、勧誘にも影響するので、そこは紳士的に大人になろうと言ってます。
実は、以前のゲームではそういうのが普通で、バチバチにやり合うのが当たり前だったんです。でも幻影戦争にはギルバトがあり、欠員が出た時に新加入の人がいないとかなりしんどい思いをするので、そこの意識は変えないと、と思いましたね。以前のゲームは特に満員じゃないと困る、ということはなかったので。
裏切れない “歴史”
カーナ
なるほど。ちなみにその勧誘っていう部分にも繋がるかもしれないですが、どうしてもゲームを長く続けていくと、飽きみたいなものは多かれ少なかれ生まれて来てしまうじゃないですか。
ソウケン
そうですね。
カーナ
そうなると、ギルド内でもモチベ―ションの温度差が生まれてしまうことはあると思うんです。特に、各種コンテンツでトップを走ろうというフローズさんにおいては、それが出やすいんじゃないかと思うんですが、そういった温度差を生まないようにするために何かをしていたりはしますか?
ソウケン
フローズはギルバトでもレジェンド称号を頂いて、裁きの試練やギルドレイドもトップを取って、もうこれ以上目指すところがないというのが、正直なところで。なので、モチベーションの維持という点に関しては、古参のメンバーほど難しいとは思っています。
なので常々ギルメンに言ってるのは、「リアル最優先、ゲームで無理だけはしないように」ということですね。頑張り過ぎて燃え尽き症候群みたいになってしまったギルメンをレジェンド到達後に見ているので、今はどのコンテンツもほどほどにみんなで頑張ろうという感じです。
カーナ
なるほど、やはりレジェンド到達後は燃え尽き症候群みたいになられた人は多かったんですか?
ソウケン
レジェンド第一号となり、その称号も頂けたので、「もうゲームクリアで隠居します」という人はそこそこいましたね。それまで毎日何時間も模擬戦をやっていた反動もあるのかなとも思います。
カーナ
確かに、あの頃のフローズさんの気合の入り方はすごかったですもんね……!
ソウケン
私個人としては、ギルバトで1位っていうのは、その時のマッチングも含めた運もあるから、まぁ1番にレジェンドになれたらいいよね、くらいにしか思ってなかったんです。ただパルチザンD.C.の前ギルマスさんの記事を読んで、さらに運営からも称号が送られるとなって、ギルメン達がかなり燃えてしまってもう止められなかったですね(笑)
カーナ
なんか、すみません...…(笑)
ソウケン
いや、むしろフローズギルメン達を本気にさせてくれて感謝してます(笑) そのおかげで、普段模擬戦していないような人も全員やっていましたから。
カーナ
そのタイミングで引退・隠居者が出たという話もありましたが、他ギルド同様フローズさんも結構メンバーが入れ替わってらっしゃいますよね。そして、先ほどのお話だとソウケンさんの方針も「リアル最優先で、無理はしない」となっている、と。
ソウケン
はい、そうですね。
カーナ
こうやって言葉にすると「他ギルドと同じ」ことが多そうな気がしてしまいますが、それでも明確に、ギルバトでいえばトップ層にこれだけの期間、君臨し続けていらっしゃるじゃないですか。その理由や背景はどこにあると思いますか?
ソウケン
やっぱり、初めてカツサンド騎士団を倒したギルド、初めてレジェンドに到達し、その称号をもらったギルド、というフローズの歴史があるのに、「レジェンドの称号をもらったからもう適当にまったりしましょう」というわけにはいかない、という思いですかね。
レジェンド到達後に加入された方などは、フローズに入って頑張るぞというモチベで加入されているのに、入ってみたら「もうギルバトは適当です」となってはダメだな、とはもちろん思っているので、今もレジェンド争いをしていた当時ほどではないにしろ、ギルバトに関しても基本はどこのギルド相手でも勝ちを目指すという考えは変えずにやっています。
カーナ
んー、なるほど。確かにフローズさんの「歴史」が示すものは、ちょっと他のギルド以上の重みがあるかもしれませんね。
ちなみに、ある意味でソウケンさんご自身が「ゲームをクリアした」と思ってもいい場面がこれまでに何度もあったと思うんですよ。それでも今なお、ギルマスを続けていられるモチベーションの源泉は、どこにあると思いますか?
ソウケン
正直に言うと、私も一昨年の11月に一度、引退とフローズの解散を考えた時期がありました。その頃は1周年のEX発表とテーブル事件で、ギルメンが10人近く引退や隠居をするという事態になっていまして。
その時は、脱退待ちが何人もいて、それでもその人たちにも、裁きの試練を走ってもらわないといけなくて。引退するつもりなのに申し訳ないなとか、色々な思いが重なって、辞めたくなる時がありました。でも、その時に入ってくれた人達のモチベが高く、フローズへの期待感みたいなものが強かったので、思い留まり、解散せずに続けようと改めて決意したんです。
今ではありがたい事に、11月から3ヶ月間ほど、ギルメンの入れ替えもなく平和に過ごせているので、モチベの源泉が何かと問われれば、やっぱりギルメンっていうことになるのかなと思います。
カーナ
なるほど、それはもはやギルマスを続けている理由というより、幻影戦争を続けている理由という感じですか?
ソウケン
そうですね、フローズがあるから、ギルメンがいるから続けているというのが大きいです。フローズを抜ける時は、おそらく幻影を辞める時だと思います。
背負い過ぎない意識
カーナ
なるほど、それはちょっとわかる気がします。ちなみに、ちょっと変な言い方になるんですが、例えばうちって「まったりギルド」って自ギルドのことを表現していて、実際本当にまったりはしてるんですけど、一方で「まったりギルド」って言っちゃうことって、わりと楽なことなんだろうなとも思うんです。
色んな場面で「うちはまったりだから」っていう言い訳を自身に対して成立させることができるというか、そういう大義名分で自分や周りを納得させようとすることができてしまうので。
ソウケン
なるほど。
カーナ
でもソウケンさんは、周年のときみたいな場面でもそういう道を選ばずに、10人分の入れ替えをやりきったじゃないですか。入れ替わりで入ってきてくれた人たちのモチベが高かったから、というお話はあったものの、入れ替わりで入ってきてくれる人が決まる前って、結構キツかったと思うんです。
それでも「まったりギルド」みたいな道を選ばずに耐え抜いた背景は、やはりフローズさんのもつ歴史、っていう話になりますか?
ソウケン
それはあるかもしれないですね。あと、うちはかなり初期から募集条件にロイヤル制限を設けているんです。ここだけはどんなに人数が減ろうと変えなかった。それは、私やサブマスのどわさん(どわひでさん)が以前のゲームでそういう縛りの課金者限定ギルドにいた影響もあると思うんですが、同じくらいの課金帯の人が集まる方がギルドとしての方向性がブレにくいという経験があるんですね。
誰でも歓迎して、ギルドとしてとりあえず人数を確保するという道を選ぶと、きっと後悔すると思ったんです。だからキツくても募集条件を下げず、モチベの高い人が来てくれるのを待ち続けましたね。
カーナ
なるほど、ある意味そこが温度差を生みにくくする最低限のセーフティネットみたいな感じなんですね。
ソウケン
そうですね。とはいえ今は課金の差もほとんどないくらい緩和されているので、モチベ重視にはなってますが。
カーナ
うーん、なるほど。やっぱりこうしてソウケンさんとお話をしていると、「トップギルドを率いる覚悟」みたいなものを、明確にお持ちのように感じるんです。「誰でもいいか」っていってギルマスになった割には、明確にリーダーとしてギルドを引っ張ってらっしゃると思うんですが、リーダーとしての自覚とか、覚悟とか、そういうものを意識したことはありますか?
ソウケン
いやいや、特にトップギルドのギルマスという覚悟みたいなものを背負ってるつもりは本当にないんです。私1人ではとてもフローズをまとめられないので、やっぱりサブマスの3人には感謝ですかね。絶妙なバランスを保ってサポートしてくれるので、とても助かっています。
私自身でいえば普段の防衛を最終決定はしてるので、ギルバトで負けた時、特に防衛が機能しなかった時は全て責任を背負う覚悟で毎日防衛指示するくらいです(笑)
カーナ
なるほど。嫌な質問になりますけど、仮にフローズさんがトップギルドでいられなくなる日が来たとしたら、身を引くつもりだったりされるんですか?
ソウケン
そこまで考えた事はないですね(笑) 現時点で幻影戦争に対してフローズが全力でやってるかというと、わりとまったりモードで別ゲーやってる人も結構いたりするし、今の感じでほどほどに長く楽しめたらいいかなくらいにしか思ってないですね。
カーナ
なるほど、いい意味で背負い過ぎないことが、ギルマスを続けるコツなのかもしれないですね(笑) それでは最後に、せっかくの機会なので、ギルメンのみなさんへメッセージをいただけますか?
ソウケン
今のギルメンの皆さん、そして過去にフローズに在籍して助けてくれた皆さん。本当に色々とサポート含め助けて頂いて感謝してます。そして今後も無理なく楽しめる環境を作っていくので、現ギルメンの皆さんはサ終までフローズでよろしく!
カーナ
ソウケンさん、本日は貴重なお話をありがとうございました!
少なくとも周りからはトップギルドと見なされているギルドを率いるということは、決して簡単なことではないはず。僕から見れば、ソウケンさんはトップギルドを率いる覚悟も、器量も十分にお持ちの方のように映ります。
でも、お話をしていて思ったのは、ソウケンさんはそれを、わざわざ「覚悟」なんていう、かしこまったものとして認識していないのではないか、ということ。
トップギルドであろうとなかろうと、リーダーが持つべき責任は変わらないし、変に自分を特別扱いせず、自然体であろうとされているのかな、という印象を受けました。
自分たちが積み上げてきた歴史(実績)には『過不足ない誇り』を抱きつつ、かといってそれに変に囚われず、シンプルにみんなでゲームを楽しもうとされているのだと思いますし、そんなソウケンさんだからこそ、フローズヴィトニルのギルマスが務まるんだろうなとも思います。
こんな方がトップギルドのギルマスに座している。
改めて、『プレイヤー』というのは、幻影戦争の大きな魅力のひとつだと、実感させてもらえた気がしました。
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