Interview with ソウケン 前編 ~頂点を受け継いだ者達の物語~

年末に行われた企画『Award Of The Visions 2021』において、2年連続で『Best Guild Award』を獲得したギルド、フローズヴィトニル。

ギルドバトルだけでなく、裁きの試練やギルドレイドなど、ギルドで協力して順位を競うコンテンツにおいては圧倒的な実績を誇る、まさにトップ・オブ・トップのギルドのひとつです。

今回はそんなフローズヴィトニルのギルマスを務めるソウケンさんにお話を聞いてきました! トップギルド、その実態とは―――。



どこパレ民の集い


カーナ

ソウケンさん、本日はよろしくお願いします!


ソウケン

よろしくお願いします!


カーナ

早速定番の質問からなのですが、ソウケンさんが幻影戦争を始めたのはいつ頃のことですか?


ソウケン

確かリリースから1週間くらい経った頃だったと思います。


カーナ

あ、そうなんですね! きっかけはなんだったのでしょう?


ソウケン

元々スクエニの別のソシャゲをやっていたのですが、そこで仲の良かった人達が幻影戦争を始めてるのを聞いて。ギルドもあるということなので、やってみようかなという軽い気持ちで始めました。



カーナ

ちなみにそのゲームは、幻影戦争と共通点のあるようなゲームだったんですか?


ソウケン

共通点があるとすれば、ギルドがあるという点くらいですね。ギルド対抗戦みたいなものがあって、上位争いをやってた面々が幻影戦争を始めていたので、またみんなで遊びたいなぁと思ったんです。


カーナ

なるほど、ギルドのあるゲームだったんですね! ちなみに当時のギルドは既に「フローズヴィトニル」という名前だったんですか?


ソウケン

いえ、全然関係ないんです。幻影戦争に集まっていたメンバーも、前のゲームでは別々のギルドの人も多かったくらいで。今でも新しいソシャゲが出たら幻影民でギルド作ったりしてると思うんですが、そんなノリですね。


カーナ

あぁ、なるほど。じゃ元々前のゲームで同じギルドだった人たちが集まったというわけではなかったんですね。


ソウケン

そうですね、私と同じギルドだった人で、今でもフローズにいるのはどわひでさんくらいです。というか、前のゲームつながりで現在もフローズにいる人自体、私とどわひでさんだけになっちゃいましたね。


カーナ

なるほど、人の入れ替わりもありましたもんね。ところでソウケンさん自身は、FFは元々好きだったりしたんですか?


ソウケン

ナンバリングはFF10まではやった記憶がありますが、どれも学生時代に1回クリアして終わったくらいです。正直、ドラクエの方が何倍もやっていました(笑)


カーナ

前のゲームもドラクエのゲームですもんね(笑) そういう意味では、幻影戦争というゲームに対する思い入れ自体はそれほど強くなかったのではないかと思うんですが、その状態でフローズさんで続けていくっていうのは、結構ハードそうなイメージがあるのですが……。


ソウケン

いや、フローズ自体、設立当初は本当に「前のゲームをやっている人なら誰でも歓迎」っていうくらい、ゆるい感じで始めていたんです。ギルドメンバーも埋まらないから適当に野良から自由に入れてましたしね。

最初はギルバトもなかったので、単純にマルチ(昔は手動)をみんなでやりながら、武器の+5を目指すみたいな周回をやっていたのですが、それが楽しくて続けていた感じです。



周回力が武器になる、と気付いた瞬間


カーナ

なんと、そうだったんですね! それでもギルバトが始まって2~3ヶ月経った2月や3月の頃には比較的上位にいらっしゃったように思うんですが、「上位を目指そう!」ってなったきっかけは何だったんでしょう?


ソウケン

まずギルバトが始まる時に初代ギルマスが決めたルールとして、ギルバトには基本的に参加すること、というのがありました。ただ逆に言えばそれくらいで、特に上位を目指すとかは何も考えてなかったです。


カーナ

なんと!


ソウケン

少しずつ勝ちを重ねていく中で、上位のギルドとも対戦する機会が増えて、トップ10くらいにはいけたらいいよね、という話をしていたくらいですね。


カーナ

以前かおもじさん(現フローズヴィトニルのサブマス)にインタビューさせて頂いた時、「課金力ではなく、周回力でトップを目指す」というフローズの在り方に惹かれた、というような話をしていたんですが、それは明確に狙って作ったものではなく、自然に生まれたものだったんですか?


ソウケン

そうですね、実は前のゲームも周回力が問われるゲームだったんです。そんなゲームで上位争いをしてた面子が集まっていたので、周回に関してはそもそも苦に感じないギルドだったかもしれないです。ただ、明確に周回力で差がつくと感じた瞬間はありました。


カーナ

それは?


ソウケン

初期のレイド、アレキサンドライトの指輪(以下、アレキ)が手に入った、チョコプリンレイドですね。


カーナ

あー、なるほど! 当時はそもそも周回するのが大変な難易度でしたよね(笑)


ソウケン

そうですね。当時はもちろん手動で、それでも最高レベルの150をワンパンするのはかなりハードル高かったと思います。アレキ+5を作れたのが上位30位くらいまでという、かなりシビアな難易度でした。

当時は私も7位くらいと頑張っていたので「ギルバトなどの対人戦で差をつけるならレイド武具だ!」という認識になり、フローズ内ではみんなで周回をするために協力し合って、できるだけギルメンがアレキを作れるように配慮しました。それがいつしか「フローズ=レイドを走るギルド」みたいになっていった気がします。


カーナ

なるほど! 誰もが手に入れられるわけではない装備が力になるから、それを得ようとしたことが目的で、「周回力が強み」っていうのはある意味で結果論だったんですね!


ソウケン

はい、そうです。今ではレイド武具もわりと誰でも作れる環境になってるので、レイドを走るギルメンもいなくなりましたけど(笑)


カーナ

ちょっとだけ寂しくもありますね(笑) 実は僕が初めてレベル150のレイドボスをワンパンできたのは3月のホワイトマシュマロでして、その時の部屋主がフローズの方だったんです(笑)


ソウケン

懐かしいですね。あの頃のフローズのグルチャは、24時間レイド募集が止まらない時期でした。ワンパンできる人、できない人、おこぼれをもらう部屋などで分けて、できるだけギルメン全員が武具作れるように頑張ってましたね。


カーナ

今思うと、あれはあれでちゃんと達成感を得られる難易度でしたね。


ソウケン

んー、それでも手動でちゃんとしたムーブを4人がしないとワンパンできないというのは、かなりシビアな難易度かなと思います。ただ手持ちが揃っているだけではなく、コミュニケーションがちゃんと取れているギルドじゃないと、なかなかクリアさえも難しいんじゃないかなとは思いました。初期の難易度は育成観点を含めて、かなり課金者寄りの運営だなと感じていました。


カーナ

なるほど、確かに野良でワンパンクリアは相当運が良くないと厳しかったですもんね。そういう意味では今の難易度設定は、裾野を広げるという意味では間違っていないのかもしれませんね。
ちなみにその頃にはもう、フローズさんはトップギルドに挑む順位にいたと思うんですが、ソウケンさんの当時の立ち位置はサブマスですか?


ソウケン

そうですね。サブマス枠が空いていたので、加入した11月後半にはサブマスになっていました。当時はまこすけさんがギルマスで、サブマスが私とどわひでさんと、えごいすとさんです。元々フローズは私以外の3人で立ち上げていて、そこに私が加入した形です。


カーナ

あー、そうなんですね! ちなみにフローズさんは外から見ている限り、強烈な個性をお持ちの方が多かった印象がありますが(笑)、そんな中での立ち回りにおいて意識していたことはありしましたか?


ソウケン

確かに個性の強い人が多かったですね(笑) ただ当時私はサブマスとして、勧誘であったりギルバト時の編成のアドバイスだったりをしていたくらいだったので、特別何か意識していたことはなかったように思います。


カーナ

その2つでギルマス・サブマスがやるべきことの大半をやっている気はしますが(笑) ちなみに、たまにネタでフローズ内の恐るべきルールが流出することがありますが、実際のところフローズさんのギルドとしての方針はどんなものなんでしょうか?


ソウケン

ギルバトに関しては、お願いしているのはギルバトの参加(欠席時は事前連絡)と防衛変更くらいですね。そもそもカツサンド騎士団さんに初勝利して以降は、指揮というものはしてません。忙しい人は張り付く必要もないと言っているので、今でも隙間時間や仕事の合間に、少しの時間抜け出してきて攻撃する人もいるので、他ギルドとあまり変わりはないんじゃないかと思います。


カーナ

なるほど、確かに方針だけでいうならうちと同じです(笑)


ソウケン

ギルドレイドや裁きの試練の方針は、もしかしたら他ギルドと多少違うかもしれませんね。ギルドレイドは全員毎日参加、裁きの試練については「体力回復薬は裁きに全部使う」というノルマがあります。フローズのギルメンからしたら当たり前の基準ですが、他ギルドからしたらギルドレイドと裁きの試練は少しハードル高いかもしれないです。


カーナ

おー、なるほど。特に裁きの試練について、思っていたより明確なノルマがあるんだなと、ちょっと驚きました。




ソウケン

正直、別に全員が裁きをやらなくても1位が取れる可能性もあるとは思います。でも、他のギルメンがギルや信銘石の周回をしたいのを我慢して裁きに回復薬を使っている中、1人だけ自分がやりたい周回をするっていうのは不公平だと思うので、私は許していません。


カーナ

なるほど、みんなが気持ちよく遊べるための、公平性を保つルールっていうことですね。


ソウケン

そうですね。そういうルールも含めて、ギルドで臨むイベントは30人全員で協力する、というコンセプトなので、団結力は強い方なんじゃないかと思います。


カーナ

『団結力』ってまさにフローズさんの強みを端的に表している言葉だと思うのですが、コンセプトやルール以外の普段のコミュニケーションの中で、その団結力を強める何かをしていたりはされるんですか?


ソウケン

その辺は何もしてないですね(笑) 昔に比べたら紳士というか、大人しい人が増えたのでギルチャもわりと静かな時が多いです。強いて言うならオフ会は結構していて、わりとギルメン同士顔見知りになってるくらいですかね。




カーナ

あー、確かにその印象はあるかもしれません。フローズの皆さんは、僕の勝手な印象ですが、ギルドへの帰属意識が高いように思うんです。フローズの一員であることに、誇りを持っているというか。


ソウケン

一旦トップの環境から離れたとしても、戻る時はフローズしか考えていないと言ってくれる人が多いのはありがたいですね。ただそれは、フローズが特別多いというわけではなく、他のギルドさんも同様な気はしますけどね(笑)





賑やかな方が多い印象のフローズヴィトニルさんにおいて、常に冷静にどーんと構えていらっしゃる印象のソウケンさん。お話を伺っていたときも常に丁寧な態度で、「特別なことは何もしていない」という言葉を何度もおっしゃっていました。


でも裁きの試練のルールや、レイドの難易度の話になった際に感じたのは、丁寧で謙虚な口調の中にある、一本の太い芯。

譲ってはいけない部分は決して譲らないというか、ブレない力強さを備えた方だという印象を受けました。


個性の強いメンバーが多いギルドを率いることができる理由は、そこにあるのかもしれない。そこで後編では、トップギルドを率いるギルマスとしてのソウケン像に迫っていきたいと思います!