Interview With カツサンド 後編 ~復カツのベイロ~

幻影戦争を代表する “カリスマ” といえばこの方、帝王カツサンドさん。

後編となる今回は、自身が立ち上げられたもう一つのギルド「タマゴサンド騎士団」についてのお話を中心に伺ってみました。

お茶目な一面を覗かせてくれた前回とは異なり、後編はちょっと真面目な話に……?



ギルメン集めも兼ねた育成ギルドの立ち上げ


カーナ

カツサンドさんといえばカツサンド騎士団ともう一つ、タマゴサンド騎士団設立の印象が強い方もいるかと思います。まずはタマゴサンド騎士団を立ち上げたきっかけからお聞かせいただいてもいいでしょうか?


カツサンド

当時はどのギルドもそうだったと思うのですが、メンバー集めに苦労した時期があって。脱退予備軍というか、新しいメンバーがきた時点で辞めます、みたいな方が多くなっていて。特にカツサンド騎士団の場合は他ギルド移籍というより、楽しみ切ったので引退します、という方が多くなっていました。

で、新しいメンバーを募集となるわけですが、やっぱり常勝軍団に移籍するのって、色々な意味でハードルが高いのかな、と思うことも多くて。やっぱりうちを倒したいからフローズヴィトニル(以下、フローズ)さんやパルチザンD.C.(以下、パルチ)さんに強い方が入っていくのかなと思っていました。まぁ、実際は雰囲気だけで、どのギルドも苦労していたとは思うのですが。


カーナ

なるほど、No.1ギルドに “入る” のではなく、 “倒す” ことを選ぶということですね。


カツサンド

そうですね。私は先ほども言った通り海外産のゲームを長くやっていたのですが、あっちのゲームって一般的に開始時期に応じてサーバを分けることが多いんですね。それによって新しい方々が入ってきても、同時期に始めた方ばかりでサーバが構成されるので、同レベルのプレイヤー達で競うことができるんです。

一方、幻影戦争は全員が同じサーバにいるため、半年後に始めた人はよほど課金しない限り初日組に勝ち目がない状態だったと思うんです。


カーナ

なるほどなぁ。確かに、1周年のあたりで召喚チケットや特別なガチャとかがあって環境に追いつきやすくなったりしましたが、それまではなかなか後追いが難しいタイミングでしたもんね。


カツサンド

そうなんですよね。キャラも武器もVCも召喚獣も何もかも1周する前だったので、早く始めた人が有利という。今のように時間も経ってくると、ユニットや武具などがある程度揃ってくるので、初日組でも普通に負けますが、当時はそうじゃなかった。

そこで新たな気持ちでより上位に挑戦しようと思っている人、上位を目指したいのだけれど、何をやったらいいかわからず、そのまま上位に蹂躙されて辞めていきそうな人にターゲットを当てました(笑)


カーナ

なるほど(笑)




カツサンド

初心者が最強ギルドの面々と触れ合って、色々教えてもらえるのって普通にニーズあるだろうと。ただ、例えば5枠はプレイヤーレベル●●以下のメンバーを入れる、みたいなギルドにおける初心者枠ルールみたいなものがあればいいのですが、幻影戦争にはそれはないし。かといって、カツサンド騎士団に初心者の方を入れると戦力的になかなか厳しい。


カーナ

確かに、たとえギルドが勝てたとしても、個人戦績が奮わない日が続くと、モチベも下がってしまうこともありますからね。


カツサンド

そうなんです。そこで「打倒カツサンド騎士団」を銘打った初心者育成ギルドを立ち上げてしまってはどうだろう、と。上昇志向の強いメンバーはそのままカツサンド騎士団を目指せるし、そのギルドにいたまま楽しむ人がいてもいいだろうし、と考えました。

当時、カツサンド騎士団はまだ最強だったので、そのタイミングで2位以下がやれていないことをやれればもっと強くなるんじゃないかという狙いもありまして(笑)


カーナ

なるほど、幻影戦争をより深く楽しめる環境を用意しつつ、若手(?)発掘にもつなげるという狙いもあったということですね。スポーツの世界などでもよく見られる構造ですよね。


カツサンド

さらに、私自身ギルマス的仕事してるぜ、ってメンバーに言えるし(笑) 今でもそうですが、個別の戦略とかギルバトとかはそんな得意じゃないのですが、ギルド運営なら経験があったので(笑)



子育て中の廃課金おかん


カーナ

幻影最強プレイヤー決定戦で優勝しておいて何を(笑)
それにしても、今振り返ってみるとすごいメンバーがタマゴサンド騎士団に集まったと思うんですが。


カツサンド

そうですね。


カーナ

それは個々のプレイヤーの能力的なものももちろんですが、育ちやすい環境っていうのもあったのだろうと思うんですね。例えばわかりやすいところで、あれだけの天下無双を生み出すことができたのは、特にどのあたりが機能していたと思われますか?


カツサンド

正直もっと初心者が集まると思っていたのですが、意外と中堅クラスで「頑張りたいけど、今のギルドではなかなか難しい」とか、「基礎からもう一度やりたい」みたいな人が集まってきたっていうのは理由として大きかった部分はありましたね。


カーナ

なるほど、元々実力も熱量もあり、でも環境にだけ恵まれていなかった方々が集結することになった、っていうことですね。


カツサンド

ですね。あとは何より、やはりギルマスのりんごるーすさんが素晴らしかったの一言に尽きるのではないでしょうか。子育て中の廃課金おかんって、守ってあげたくなる存在だったと思います(笑)


カーナ

「子育て中の廃課金おかん」って、「目標はカツサンド」並みのインパクトですね(笑)


カツサンド

実際彼女はあまりに忙し過ぎたので、チャットの登場回数とかは少なかったと思うのですが、だからこそ皆で頑張ろう的な雰囲気はあったと思います(笑)

天下無双の輩出数についてはある意味その結果論ではあるのかな、と。ギルバトの指揮も、その天下無双勢がうまくやってくれていましたしね。


カーナ

なるほど、天下無双を取るために何かをした、というよりは、熱量の高い人たちが集結し、団結したからこそ、結果的に天下無双の獲得にもつながっていった、ということなんですね。


カツサンド

ですね。あと、途中まで連勝していましたけど、カツサンド騎士団と違ってギルバトで早めに負けを知ったことも重要だったと思います。カツサンド騎士団で味わった変な呪縛が無くなったので。


カーナ

あー、なるほど。「そんなに甘くない」ということを早くに理解することで、より自立心が芽生えたというか。


カツサンド

ですです。解散後に私や嗚呼さんが合流して、そういう廃課金勢が率先して突撃し、事故っていたのもよかったのかな(笑)


カーナ

率先して事故。見習います。


カツサンド

いや、もちろん敢えて事故を狙ったわけではないですよ?(笑) 意識してギルバト開始早々に突撃するようにしていた、というだけで(笑)


カーナ

「カツサンドさんでも事故るんだから、ギルバトってそういうものだよ」っていうメッセージを伝えることで、ギルメンの肩の力を抜こうとしていたっていうことですね(笑)


カツサンド

自分で事故って、自分でドンマイって言ってる姿は寂しさもありますが(笑)


カーナ

でもそういう姿勢が、自立心を促したところもあるのかもしれないですね。お話を聞いていると、どちらかというとカツサンド騎士団の方が何かをレクチャーして、というよりは、タマゴサンド騎士団の方々自身が、自ら協力し合って強くなっていった、っていう感じですか?


カツサンド

レクチャーについてはキラーワードというか、「イケてるギルドに普通に入れて強くなれますよー」っていう、一種の誘い文句でした(笑) 実際は割と放牧してて、結果勝手に強くなっていった、という部分が大きかったように思います。


カーナ

確かに、あまり指示出し過ぎるとどうしても思考停止になってしまうこともありますもんね。


カツサンド

カツサンド騎士団の時が、そうでしたからね。


カーナ

あぁ、なるほど。指揮官が有能だったがゆえに。


カツサンド

ですね、特に初期は思考停止状態だったとしても、課金で押し切れた時代でしたし。

なので、自分は自分で考えるようにするためにもアリーナをよくやっていたのですが、あの時代のアリーナは猛者ばかりで、自然とそこで色々学んだというか、パクった感じでした(笑)


カーナ

凜さん、Freesiaさん、クラさん、プロギスニータさん、ニート彗星さんといった猛者だらけの時代ですね……(笑)


カツサンド

そうそう(笑) 指揮官がいるとどうしても勉強しなくなるから、よく嗚呼さんがクラさん、俺が凛さんに勝つ編成を考えてました(笑)


カーナ

なるほど(笑) お話をまとめると、タマゴサンド騎士団があそこまで活躍できた背景にあったのは、モチベーションが高いメンバーを集めやすいハコと、自立心が芽生えるような運営が効果的だったっていうことですね。


カツサンド

そうですね、そういう感じです。最終的にパルチと合流しましたが、やっぱりその成り立ちから常に「サブギルド」扱いされてしまうというか、外からはそう見えてしまう部分はあって。ある時「タマゴサンドはパルチの金魚の糞で……」みたいなのをどこかのギルドの方が言っていたことがあるんですよ。


カーナ

なるほど、実際は自立して自分たちでギルド運営をしていたにもかかわらず、っていうことですね。もちろん外から見ている限りではわからない部分も多いとは思いますが。


カツサンド

ですね。で、当時それに珍しく怒ったりんごるーすさんが、翌週さらっと天下無双取ってきて(笑)



カーナ

(子育て中の廃課金おかん、強し……。)


カツサンド

あれにはメンバー一同感動していましたね。それを機に、一層団結力が増していった気がします。



不死鳥のベイロ、求ム


カーナ

カツサンドさん自身のお話に戻しますと、その後現在に至るまで、パルチさんに所属されているわけですが、もし忙しさが落ち着いたとして、もう一回ギルドを立ち上げたい、みたいな思いはありますか?


カツサンド

その時は「復カツサンド騎士団」ですかね(笑)


カーナ

(もう名前も用意してたわ……)


カツサンド

冗談はさておき、流石に新たにギルドを作るなら、やはり前に一緒にやっていたメンバーが復帰しやすい環境がほしいな、とは思いますね。新しく始めた人や復帰した人が遊びやすい環境を運営さんが準備してくれた上であれば、自分が役に立てることがあればやりたいと思います。

もちろん、個人的な忙しさとかはあるので、ギルマスバリバリやります!ってなるかは分かりませんが。


カーナ

確かに、再開のしやすい環境ができてくれたら嬉しいですね。


カツサンド

自分が楽しんでいるゲームなので、私はネガティブなことをあまり言わないようにしているんです。まぁ時に言いたくなることもあるのですが(苦笑)、やっぱりプレイヤーの声ってこれまでも運営さんに届いていて、色々改善はされてきているとも思うんです。だから、今後に期待したいなぁと。

せっかくお金も時間も使ってきたし、いい方々との出会いもある環境なので、これからも長く続くように運営さんとプレイヤー勢が一緒に作り上げられる形になれば、もっともっとよくなりますよね、ってポジショントーク全開ですが(笑)


カーナ

満点です(笑)


カツサンド

でしょっ(笑)


カーナ

カツサンドさん自身、ギルマスというポジションからギルメンという立場に変わって、いろいろ経験されたと思うんです。そんな今改めてお聞きしたいのが、ギルマスってゲーム内の話でいえばメリットってないに等しいじゃないですか。


カツサンド

そうですね。


カーナ

それでももう一度ギルマスをやってもいいって思えるのは、どこに理由がありますか?


カツサンド

やっぱり達成感に尽きますね。一人でやっててもつまらないですが、一緒に目標に向かって、頑張って達成するみたいな経験って、満足の度合いが全然違いますよね。そういうところが個人的な楽しみですかね。

もちろん、失敗とか人間関係とか色々あると思うのですが、その辺りは個人的に鈍感な方なので、ギルマスにそもそも向いているということもあるかもしれません(笑)


カーナ

なるほど(笑) 確かにみんなで団結して何かに向かって頑張り、それを達成する経験というのは、一人では決して味わえない喜びですもんね。


カツサンド

ただ、ここまで頑張ってきた中で、運営さんには一言言いたいことがある!


カーナ

おぉ!


カツサンド

なぜ不死身なのが「ベイロ」ではなく「ザザン」なのか!!


カーナ

……いや、ストーリー展開的にもやっぱり不死身といえるのはザザ


カツサンド

ということで、早く「不死鳥のベイロ」あたりの実装を願います。


カーナ

……聞いて?


カツサンド

6万ソウルスターでも俺はとります(笑)


カーナ

(ホントに取りそうだからな……) でもそういえば、ギルバトの結果画面で、カツサンド騎士団の文字と一緒に表示されるときは、ベイロが不思議とラスボスクラスに強そうに見えましたね。


カツサンド

刷り込みってありますよね(笑)


カーナ

なぜかあのつぶらな瞳が、底知れぬ迫力をもつという...(笑)




カツサンド

カツサンドから最も連想されるキャラにしたんです(笑)


カーナ

そういうことだったんですね! 最後にお聞きしたいのですが、きっかけとしてはさほど強い想いがあったわけではないにもかかわらず、ここまで幻影を続けてこられて、さらに今なお忙しい中でもやめずに継続されている、その理由はどこにあると感じていますか?


カツサンド

楽しいから、です! カツサンド騎士団の全部、個人的には幻影最強プレイヤー決定戦の優勝や幻影アワードを頂いたり、極めつけはタマゴサンド騎士団がレジェンド入りするなど、すごい色々経験させてもらって。

さらに、今のパルチのメンバーやカーナさんをはじめとしたゲームを盛り上げようとしてくれている方々、自分が楽しんでいるゲームを一緒に楽しんでいる方々がいるのは本当に嬉しいことだと思っています!


カーナ

最後っぽいコメント!(笑)


カツサンド

そして、長く続けたいので運営さんも一層頑張ってくれたらとマジで思っています! 頼むからベイロ実装お願いします!(笑)


カーナ

ベイロはともかくとして、確かに時に厳しい意見が出るのも、その裏側にあるのは「このゲームを続けたいから」という想いですもんね。

カツサンドさん、今回は本当にありがとうございました!




帝王、王者、カリスマ……。

敬意を込めた様々な二つ名で呼ばれたカツサンドさんの実態は、ただただ純粋にゲームを楽しもうとされている方でした。

でも、それこそがゲームの魅力。ゲームは、楽しんでなんぼ。

色々なことがあるけれど、それに振り回され過ぎず、純粋にゲームを楽しもうよ、というメッセージが、その広い背中(ベイロ想定)から伝わってくるような気がしました。


ということで運営さん! もしこの記事を見られていたら、「不死鳥のベイロ」の実装、ご検討よろしくお願いします!

なお、僕個人としては、たぶん引かないのでどちらでもいいです!