interview with ニート彗星後編 ~家族の絆に、別れはいらない~

幻影戦争のプレイヤーにスポットライトを当てる「Insight Of The Visions」。第五回となる今回は『回避の始祖』と呼ばれたニート彗星さん(以下、ニトさん)にインタビューを敢行!

後編の今回はニトさんがずっと過ごしてきたトップギルドの一つ、「パルチザンD.C.」についてお聞きしました!


始まりは普通の「雑談ギルド」


カーナ

さて、今回ご隠居に合わせて長年過ごされたギルド「パルチザンD.C.(以下、パルチ)」を脱退されたわけですが、ニトさんはずっとパルチさんにいらっしゃったんですか?


ニート彗星

実は一番最初は別のギルドに入ったんですよ。FFTが好きで、その中でも一番好きな騎士団だった「南天騎士団」っていう名前のギルドを選んで(笑)


カーナ

あ、そうだったんですね!


ニート彗星

でもそこがザ・無言ギルドという感じで、ギルチャの発言もほぼなくて。「あれ~、ギルドゲームってこんな感じだっけ」って思っていた時に、当時フリマ等でよく対戦していた素敵大統領(以下、大統領)に声をかけられまして。


カーナ

それはTwitterかなにかで?


ニート彗星

いえ、ゲーム内の雑談掲示板ですね。「ギルド作ろうと思ってるから来ないか」っていう誘いに応える形で、たぶん設立の翌日くらいにパルチに加入しました。


カーナ

おー、じゃほぼ立ち上げメンバーなんですね。で、そこからギルバトにも精を出していくことになると。


ニート彗星

いや、実は元々パルチって「雑談ギルド」だったんですよ(笑)


カーナ

……え??


ニート彗星

いや、ホントに(笑)
でもある時大統領が、「雑談ギルドの俺たちが、ギルバトで上位獲ったりしたら面白くない?」って言い出して。それでギルバトだけはガチにやるっていうギルドになったんです。だから今でも、ギルバト以外については結構まったり雑談を楽しんでる雰囲気ですよ。外からどう見えているかは別として(笑)


カーナ

あ、でもパルチさんって、皆さん仲が良さそうな印象はありますね!


ニート彗星

うん、本当に仲はいいと思いますね。仕事で数時間Discordを見れなかっただけで、雑談ログが999件貯まってる、なんていうこともありましたから(笑)


カーナ

それはスゴイ(笑)確かに引退・隠居は別として、脱退される方も少ないイメージかも。


ニート彗星

そう、本当に脱退っていうのは少ないですね。リアル都合のやむを得ない事情とかはもちろん別ですけど、その場合でも「本当に居心地がいい、楽しいギルドだった」って皆さん言ってくださいますし。


カーナ

あと、枠が空いてもすぐに埋まってる印象もありますしね。


ニート彗星

それはうちの大統領が頑張ってるからですね。普段のイメージとは異なるかもしれませんが、三国志の三顧の礼のように丁寧に対応されているんですよ。


カーナ

あー、確かに以前ちょっとだけお声がけいただいたこともありましたけど、丁寧な印象はありました。口説いてはくれつつも、決して強引な感じはないというか。いきなりDMきて、「みんな大好き、素敵大統領です」って始まったときは面喰いましたが(笑)


ニート彗星

あはは、それは大統領っぽいかも(笑)


カーナ

ちょっと話逸れちゃいますけど、ちょうどその頃引退を決めていた時で。でもその直後くらいにギルド内で予想外の事態が起きて、引退を取り下げて残ることに決めたんですけど。でも、わざわざ「引退するのやめました、でもお誘いにはのれません」ってお断りのDMを改めてするのも変だしなぁって思ってて。


ニート彗星

まぁ、それは確かに(笑)


カーナ

で、その頃ちょうどパルチさんとギルバトで当たったので、名前を「引退詐欺しました!」に変えたんです(笑)そしたら大統領がちゃんと自分に凸ってくれて。「あ、気持ちを汲んでくれたのかも」って思えて、嬉しかった記憶がありますね。


ニート彗星

へ~、それはちょっと粋な感じしますね。


カーナ

見事にワンパンされたんですけど、ワンパンされて嬉しかったのはあの時だけかもです(笑)


鋭さを増す、パルチザンの槍先


カーナ

さて、ギルバトだけはガチでやっていくという方針になったわけですが、ニトさんから見て「ギルバト強くなってきたなぁ」って感じるようになった時期っていつ頃ですか?


ニート彗星

そうですね、最初はクラさんとエルトさんが入ってくれたタイミングかなぁ。確か12月頃だったと思います。


カーナ

先ほどのお話だと、クラさんとはアリーナでしのぎを削っていた頃ですよね?


ニート彗星

ですね。その頃にクラさんがゲーム内の初心者掲示板で「どこかいいギルドありますか?」って言ってるのを見て、「枠空いてるのでどうですか?」って声をかけました。アリーナを通してお互いの存在は認知していたっていうのもあって、加入してもらった経緯ですね。


カーナ

クラさんって、幻影でもトップクラスに「初心者掲示板」が似合わない人ですけどね......(笑)


ニート彗星

確かに(笑)その後も強力なギルメンに加入してもらって、どんどん力を増していって。次の大きなターニングポイントとしては、やっぱり5月のカツサンド騎士団解散のタイミングになるかなぁ。


カーナ

あー、なるほど。


ニート彗星

あの頃、コロナの影響もあって、リアル都合で引退・隠居される方が増えたタイミングでもあったんですよ。代わりの人が加入するまではって残ってくれていたんですけど。そこにちょうどカツサンド騎士団にいた方々の何名かが加わってくれた、という感じでしたね。


カーナ

なるほど。元々ギルバトにガチな方々が集まっている中に、さらに強力な仲間が増えたことで、より強くなっていったという経緯なんですね。


ニート彗星の幻影史


カーナ

ご隠居を決められたこのタイミングで、ちょっとニトさんの幻影史を振返ってもらって。思い出深い、強く印象に残っている出来事TOP3を聞いてみてもいいですか?


ニート彗星

もちろんもちろん。


カーナ

では、第3位は?


ニート彗星

うーん、カツサンド騎士団さんとギルバトで当たったときに、未開封のソージさんとリッタさんを倒して☆6を獲得できたときですかね。


カーナ

おー、つまりそれは言い換えると......


ニート彗星

はい、回避が完成した時です。


カーナ

なるほどなぁ、磨き続けた技術がついに輝いた瞬間というか。


ニート彗星

そのためにずっと努力を重ねてきましたから、やっぱりあれは嬉しかったですね。


カーナ

うーん、確かに。でも、逆に言うとそれが3位なんですね。


ニート彗星

やっぱり、それは個人レベルの喜びなんですよ。ギルドのみんなで分かち合ったものではないので、それと比べちゃうとちょっと見劣りするかな、と。


カーナ

なるほど、では続きを聞いちゃいましょう。第2位は?


ニート彗星

またまた登場で申し訳ないんですが、やはりカツサンド騎士団さんに初めて勝利した時ですね。


カーナ

なるほどなぁ、先ほどのは個人レベルでの勝利で、こちらはギルドレベルでの勝利の瞬間だと。


ニート彗星

僕らがカツサンド騎士団さんを倒すちょっと前に、フローズさんがカツサンド騎士団さんの一敗目を奪ってるんです。それでもやっぱり、絶対王者でしたからね。ずっとみんなの目標として君臨してくれていたギルドさんでしたから、それはもう嬉しかったです。


カーナ

強い人が数名いれば勝てるような話ではないですもんね。みんなで頑張って初めて掴める勝利というか。


ニート彗星

そうそう、ホントそうです。みんなの努力の成果が実った瞬間、というようなイメージでした。同時に、そういう存在として君臨していたカツサンド騎士団の方々を、改めて尊敬もしましたね。


カーナ

確かに、今なおこうして話題に出るくらい、誰からも目標とされ、誰からも尊敬されていたギルドでしたからね。それでは、第1位をお聞きしましょう!


ニート彗星

パルチザンが、ギルドランキング1位になった時です。


カーナ

おーーー!でもそれはそうか、それを言える数少ないギルドですからね!


ニート彗星

あの瞬間は、ギルド内でも大盛り上がりでしたね。カツサンド騎士団さんももちろんなんですけど、そのカツサンド騎士団さんを先に倒したのもフローズさんで。わりといつも、すぐ上にはフローズさんがいたんですよ。そのフローズさんを抜いての1位獲得だったので、やっぱり感慨深いものがありました。大統領も「雑談中心のギルドが、ついにここまできたかぁ」なんて言ったりね。


カーナ

なるほどなぁ。「やっててよかった」と思えた瞬間だったということですね。


ニート彗星

はい、このメンバーでずっと頑張ってきて、本当に良かったと思えましたね。


「強敵」の読み方は、やはり


カーナ

これはフローズのかおもじさんにも聞いたことではあるんですが、ニトさんから見て他の上位ギルドは「こういうところが強い・怖い」みたいなことを聞いてみてもいいですか?


ニート彗星

あぁ、もちろんですよ。


カーナ

ではまず、Black Catさんはどうでしょう?


ニート彗星

Black Catさんもやっぱりギルバトがガチなので、編成練度が高くて。月の後半に向けてどんどん仕上げてくるので、後半は特に強いイメージがありますね。その月の中でどんどん強くなっていく感じ。


カーナ

なるほどなぁ。もしかしたらBlack Catさんは、パルチザンさんと雰囲気が似ているところがあるのかもしれないですね。


ニート彗星

あぁ、確かにそうなのかもですね。ギルバトにガチで、周回を頑張る人もいて。


カーナ

ギルド内の人同士が仲良さそうなイメージもありますしね。
では続いて、Mysidiaさんはいかがでしょう?


ニート彗星

一時期パルチはLEGALさんとずっとドローを繰り返していた時があって、その頃のメンバーの多くが今Mysidiaさんにいるわけですからね。やっぱり怖いですよ。最初上がってきたときは少しブランクあるのかな?って思いましたけど、あっという間に上位の風格を取り戻されて。毎回ギリギリの戦いになりますね。


カーナ

ちなみにうちはまだMysidiaさんと戦ったことはないんですけど、ニトさんから見て特に怖いっていうところはありますか?


ニート彗星

統率力が高いのか、防衛編成の徹底っぷりは特にスゴイですね。テンプレ編成はもちろん、そこにアレンジしたものも含めてきて。だから勝てたとしても全滅はさせられない、ということも多いですね。


カーナ

なるほど、当たってみたいような当たりたくないような(笑)
では最後に、フローズさんは?長年のライバルというイメージもありますが。


ニート彗星

個人的には、長年のお友達っていう感覚もありますね(笑)ギルバトはバチバチやってますけど、同じゲームをこれだけの期間一緒に走ってきたわけでもありますから。


カーナ

それはまた『強敵』と書いて『友』と読む、的な(笑)


ニート彗星

いやでも、本当にそんな感じなんです(笑)
やっぱりあれだけの周回をしつつ、模擬戦も繰り返して編成練度を上げてくるっていうのは、本当にすごいなぁと思います。「精神と時の部屋」に入っているのかと、本気で疑いたくなります(笑)


カーナ

それはわかる気がします(笑)


ニート彗星

穴という穴はないし、統一するときは徹底的に統一してくるし、逆に罠を仕掛けて事故らせてもくるし。本当にどこを取ってもトップだなぁと思います。個人的にはすごくリスペクトしてますね。


カーナ

なるほどなぁ。でも確かに、フローズさんのすごさを一番わかっているのはパルチさんだし、パルチさんのすごさを一番わかっているのもフローズさんなんでしょうね。


ニート彗星

そうかもしれないですね。うちとの戦いの時は、過去の戦績とか分析しても今まで一度も出てこなかったような編成が並んだりしてて、「うちの時だけひどくない?」って思ったりします(笑)


カーナ

それは完全に「お互い様」でしょうね(笑)


家族の元を離れて


カーナ

でもお話聞いてて思いますけど、トップを争うギルドってちょっと敬遠される方もいるかもしれないですが、そこでしか得られないものっていうのもたくさんあるんでしょうね。


ニート彗星

そうかもしれないですね。うちも、たぶんフローズさんも、ギルバトはガチですけど、普段は普通に和気あいあいとしたギルドだと思うんですよね。普通にゲームを楽しんでいるっていう意味ではどのギルドも一緒だとは思うんですけど、どうしても「怖い」とかってイメージを持たれちゃうことはあるのかもですね。


カーナ

もちろんギルバトの環境は厳しいものがあるでしょうけど、だからこそ得られる楽しさも絶対あるでしょうからね。モチベーションさえ高ければ、周りの方々から教わることができるものも多いでしょうし、トップギルドの扉をノックしてみるというのも、すごくいい経験になるんじゃないかな、とは思いますね。


ニート彗星

うん、本当にそれはそう思いますよ。


カーナ

模擬戦だけでも楽しいコンテンツな気がしますからね(笑)


ニート彗星

いや、本当にそうなんですよ。実はさっきカーナさんが引退を検討されているって言ってた時期に、自分もかなり忙しくなってて、当時引退や隠居を検討していたんですよ。でも、模擬戦が面白過ぎて(笑)


カーナ

いや、わかる気はします(笑)そういう楽しさがたくさんあるギルドだったからこそ、ここまでずっと幻影を続けられているっていうのは絶対ありますよね。

さて、最後の質問になりますが、ニトさんにとってパルチザンというギルドはどんな存在でしたか?


ニート彗星

やっぱり自分にとっては「家族」という言葉が一番しっくりくるかなぁ。テキストでのコミュニケーションとはいえ、この一年間で一番言葉を交わして、共に頑張ってきた関係ですからね。


カーナ

あー、なるほどなぁ。それはパルチさんの雰囲気を、一番端的に表しているのかもしれませんね。ちなみにパルチの皆さんにメッセージなどはあったりしますか?


ニート彗星

うーーん、なんだろ。まだDiscordも抜けてないからなぁ。まぁ「辛いこともあるだろうけど、ボチボチ頑張って」という感じですかねぇ。


カーナ

あはは、なるほど(笑)まぁまだ別れの言葉を言う気はないぞ、と。


ニート彗星

ギルド抜けた翌朝6時にパルチのDisocordで「おはようございます」って言ってましたからね、私(笑)


カーナ

そっか、じゃやっぱり家族なんですね(笑)別れる・別れないとかじゃないんだ。隠居っていうのもある意味、一旦家族の元を離れて単身赴任という感じですかね(笑)
ところで、隠居先はNoah’s Arkさんということでしたよね。


ニート彗星

そうですね、ありがたいことに色々なギルドからお声がかかりまして、迷いましたがザナ健さんのところでお世話になることにさせて頂きました。


カーナ

じゃ、ニトさんがパルチさんに復帰される前に、Noah’s Arkさんが一気に順位を上げてきて、そこで対戦するなんていうこともありそうですね!


ニート彗星

ですね。その時のために編成練度を磨いておかなくちゃ。


カーナ

じゃ、僕はその時までに必中パを磨いておきますね(笑)


ニート彗星

やだやだ(笑)



リアルが多忙になった結果、ひとまず隠居の道を選ばれたニート彗星さん。でもその隠居先が、勢いよく順位を上げているNoah’s Arkさんというのは「まだまだ、腕をなまらせるつもりはない」というニート彗星さんらしいメッセージのようにも感じられます。

一時の寂しさはあったとしても、きっとまた帰ってきて、華麗な回避の舞を見せてくれることでしょう。その時を楽しみに待っていたいと思います。


それではまた、次の幻影戦士の物語でお会いしましょう。