幻影戦争のプレイヤーにスポットライトを当てる「Insight Of The Visions」。第5回となる今回は『回避の始祖』と呼ばれたニート彗星さん(以下、ニトさん)にインタビューを敢行!
前編の今回はまさに代名詞と言える『回避』について、そして編成の考え方について聞いて来ました!
カーナ
ニトさん、寂しい!
ニート彗星
あはは、ごめんね~。
カーナ
まぁでも、引退じゃなくて隠居ということなんですよね?
ニート彗星
ですです。ちょっとリアルが忙しくなる関係で......。落ち着いたらまた最前線に復帰できたらなとは思ってますけどね。
カーナ
なるほど、ではその時を心待ちにしてますね!
難易度が高いほど、熱くなる
カーナ
いつもの質問からになるんですが、ニトさんは幻影初日勢なんでしたっけ?
ニート彗星
それが実は微妙に違くて、2日目からなんです(笑)会社の人に「FFタクティクスみたいなゲーム出たよ」って聞いて、やってみたら「あ、ホントにタクティクスじゃん」ってなって。
カーナ
FFタクティクスが好きで幻影を始められたんですね。
ニート彗星
ですね~。FFタクティクスはプレイ時間カンストするまでやりこみましたよ。セーブ&ロードを繰り返して財宝を全部手に入れるまでやり続けました(笑)
カーナ
(やべ、レベルが違う......)
ニート彗星
元々子どもの頃にやったSFCのFF4が自分のRPGのスタート地点だったので、FFが好きだったっていうのもありますけどね。
カーナ
あ、じゃFF4コラボは結構感動的でした?
ニート彗星
そうですね、ただ自分の好きなキャラがヤンやテラ、リディアだったので......(笑)
カーナ
ヤンやテラは、FF4コラボ第二弾があったとしても登場するかどうか(笑)
ニート彗星
まぁでもゴルベーザは好きだったので、敵キャラとはいえ登場したのは嬉しかったですね。その後、FFタクティクスにはまって、シミュレーションRPGにのめりこんでいったイメージです。
カーナ
ちなみに他にはどんなゲームをされてたんですか?
ニート彗星
コンシューマーゲームだと「スペクトラルソウルズ」っていう、超鬼畜ゲームに手を出してましたね。表のボスは簡単に倒せるんですけど、裏ステージではカンストダメージが出る技を使ってもザコすら倒せないっていう......(笑)
カーナ
なんだそのゲームは......(笑)
じゃ、割と高難易度のゲームに惹かれるっていうことなんですかね?
ニート彗星
そういう傾向はあるかもしれません(笑)
すべては、帝王から勝利を得るために
カーナ
さて、前回のプロギスさんのインタビューでもありましたが、「回避の始祖」と言えばニトさんということで。ニトさんが回避パにのめりこんでいった背景なんかをお聞きしたいんですが。
ニート彗星
いくつかの要素が絡み合ってる感じなんですけど。まずは元々12月くらいにシャドウリンクスに回避をさせる編成がフリマとかで出始めて。自分でも色々試して、虚像をかければちゃんと回避するなっていう手ごたえを感じていたんです。
カーナ
なるほど、その時点ではパーティ全体でというよりは、回避力の高いキャラが1人いる、みたいな感じだったんですね。
ニート彗星
ですね。で、これをどうやったらパーティ全体で、且つオートバトルで実現できるかっていう観点で研究を続けていました。
カーナ
あー、そうか。当時はアビのOn/Offとかもなかったから、オートの調整が今よりはるかに難易度高かったんですね。
ニート彗星
ホントに大変でした(笑)
あともうひとつは「どうやったらメディエナを活かせるか」っていう観点で、メディエナのステータスをずっと研究してて。で、この運と素早さなら回避いけるんじゃないかって。
カーナ
なるほど、メディエナの輝かせ方としてたどり着いたひとつの結論でもあったのか。
ニート彗星
ですです。で、そのあと1月に入ってキトンが出て、これでようやく3キャラ揃って回避パが組めるぞ、と。
カーナ
なるほどなぁ。シャドウリンクスで回避に手ごたえを感じ、メディエナの活かし方を回避に見出して、キトンが最後のピースを埋めた、という流れなんですね。
ニート彗星
ですね。
カーナ
それでも変な話、他の編成を磨くという選択肢もあったわけじゃないですか。アビのOn/Offも回避強化の装備も、そこまで環境的に整備されているわけでもない中で、それでもニトさんを回避にこだわらせた理由って、何だったんですか?
ニート彗星
それはもう、伝説のギルド『カツサンド騎士団』に、そして帝王カツサンドに勝つためですよ。
カーナ
はーー! そういうことか!!
ニート彗星
あそこまでの課金力は自分にはないけど、どうやったら一泡吹かせられるかなぁと考えた時に、回避だったらワンチャン勝てるんじゃないかって。
カーナ
なるほどなるほど。
ニート彗星
当時のカツサンド騎士団さんには、レベル99のエンゲルベルトやサンクレッドが結構いて。1月くらいだと防御貫通なんてまだなかったから、正直物理は全然通らないんですよ。でも、魔法だったらダメージ通るよなぁって。
カーナ
なるほど! そこにメディエナがつながってくるんだ!
ニート彗星
そうそう。エンゲルベルトやサンクレッドの器用さや運の値を見たときに、このステータスだったらタンクの攻撃は無効化できるんじゃない?って思って。運に左右される部分はもちろんあるけど、回避は彼らに勝つためにようやく見出した光明でしたね。
カーナ
なるほどなぁ、カツサンド騎士団さんに一矢報いるためにっていうのが大きなモチベーションになってたんですね。
ニート彗星
ですね~。あとはやっぱりプロギスさんも言ってた通り、アリーナかな。アリーナもあの頃は朝5時の更新でしたけど、毎週10位以内には入るように頑張ってましたね。
カーナ
え、当時アリーナって朝5時更新だったんですか!?
ニート彗星
ですです。だからラストスパートは4時半とかに起きて順位見て「あ、石割らなきゃ~」みたいな感じでしたよ(笑)まぁ自分のライフスタイルには都合がよかったんですけど。
カーナ
ひぇ~。さっきのアビのOn/Offとかもそうですけど、そう考えると幻影ってだいぶやりやすい環境になってきているんですね(笑)
ニート彗星
うん、本当にそう思います。
回避の完成度を引き上げた、ヴィネラの登場
カーナ
ニトさんの感覚的に、回避が流行って来たなって思ったのは、いつ頃のタイミングでしたか?
ニート彗星
んー、ヴィネラが出てきた3月頃っていうイメージですね。
カーナ
なるほど。その頃にはもう命中を盛れるアレキサンドライトの指輪(以下、アレキ)も、必中をもったルシアもサリアも出てきて、以前よりは回避対策がしやすい環境にはなっていたかと思うんですが、それでも回避が流行るくらいヴィネラのインパクトは大きかったんですね。
ニート彗星
そうですね。それまでギルバトでアタッカーとして猛威を振るっていたシド(オルランドゥ)に何もさせないわ、エンゲルベルトを破鎧刃で無効化するわで、それはそれはインパクト大きかったですね。
カーナ
確かに、物理に対してはあんなにも無敵を誇っていたエンゲルベルトに大きなダメージが入るのを見た時は、結構衝撃的でしたね。
ニート彗星
さらに2月に「伝えられない想い」のVCが出たこともあって、むしろ回避パは加速した気がします。すぐに完凸されていたカツサンドさんやシノンさん、ソージさんたちとアリーナで当たったときは絶望的な気持ちになりましたね。全然攻撃が当たらない(笑)
カーナ
あー、そうか! バレンタインで出たVCですもんね、あれ。じゃ、あの頃はむしろ回避パの完成度が引き上がった頃になるのか。アレキもまだ1個しか持てない中でいうと、回避対策は必中キャラを入れる以外方法がほとんどない、みたいな頃だったんですね。
ニート彗星
でも、意外と知られてないですけど、イェルマのトラマスである「剛力の腰巻き」なんかも回避対策になるんですよ。
カーナ
確かに、あれアビリティで命中結構盛れますよね!
ニート彗星
そうそう、3ターンという制限はあるものの、確か70くらいは盛れた気がする。
カーナ
ちょっと僕の話になってしまうんですけど、3月に引退詐欺(現InFight SaGa)に加入した時にギルド内に回避パを組まれている方がいて。それに憧れてやり方を聞いたら、装備やらVCやら色々なものが自分には欠けていることがわかりまして。
ニート彗星
回避は揃えなければいけない条件がありますからね(笑)
カーナ
そうなんですよね。そうとも知らず、当時は装備周回とかも全然できていなかった自分は回避を断念せざるを得なくなり。結果、回避を絶対に倒すための必中パに方針転換しまして(笑)当時数少ないポッドをイェルマトラマスに注ぎ込んでアビレベル20まで頑張ってもっていった記憶があります。
ニート彗星
怖い怖い(笑)実はイェルマトラマスには私もトラウマがあって。
カーナ
おぉ、お聞きしたいです。
ニート彗星
レインがボーナスキャラだった頃のアリーナで、凜さんに挑んだんですよ。で、当然凜さんはレインを編成してたから、いつも通りVC『愛の誓い』を付けたヴィネラで突っ込めば余裕だろ~って思ってたら、レインがイェルマトラマスのアビリティを使ってきて(笑)
カーナ
わー(笑)
ニート彗星
え、もしかしてこれジャマスラ(ジャマースラスト)でワンパンされるんじゃ、って思ったら、案の定ヴィネラがワンパンされてボロ負けした記憶があります(笑)
カーナ
なるほどなぁ。回避パが流行ってきた分、回避パ対策や回避パを罠にはめる戦略も同時に洗練されてきたっていうことなんですね。ちなみにニトさんは、回避パが流行ってきた頃というのは、逆に回避対策をしにいったりしたんですか? それとも......
ニート彗星
もちろん、より洗練させましたよ。
カーナ
さすがです(笑)ちなみに当時のニトさんのギルバト編成ってどういう感じだったんですか?
ニート彗星
最終的にたどり着いたのは、ヴィネラ・メディエナ・サリアという編成でしたね。
カーナ
まだメディエナが(笑)
ニート彗星
はい、残っているんです(笑)
カーナ
そのメンツだと、さすがにサリアは回避しないですよね?
ニート彗星
ですね。サリアは相手のヴィネラ対策です。愛の誓いを付けたヴィネラが先行して相手のヴィネラを引き付けつつ、メディエナがエンゲルベルトや必中をもったルシアをコスモプリュームで倒して。で、サリアがホーリーでヴィネラを倒す、というイメージです。
カーナ
なるほどなぁ、当時は模擬戦もなかったし、フレンドマッチでギルバトのマップを選ぶこともできなかったから、その辺りは頭の中でシミュレーションして組み立てていったんですか?
ニート彗星
そうですね、あとはパルチザンD.C.(以下、パルチ)内では結構情報共有が頻繁に行われていて。ギルバトの動画も共有されていたこともあって、シミュレ―ションに必要な情報が揃っていたっていうのもあったかと思います。
クセが強いつもりは......
カーナ
そういえば、ニトさんって誰に聞いても「意外性の高い編成」「クセの強い編成」って言われるじゃないですか。
ニート彗星
確かにそういう評価を頂くことは多いですね(笑)
本人としては、クセが強いつもりで組んでいるわけではないんですけど......。
カーナ
自覚があるわけではないんですね(笑)
ちなみにどんな考え方で編成を組まれるんですか?
ニート彗星
うーん。色んな要素がありますけど、まずは「誰を中心にして動かすか」を考えることが多いですね。そのキャラクターをうまく使いたい、そうなるとあとは誰を入れるべきか、みたいな。
カーナ
なるほど。軸となるキャラを一人決めて、そのキャラを輝かせるための残り二人、っていうイメージなんですね。その場合の軸となるキャラの決め方って、ギルバトマップの効果とか、あるいは推しキャラであるとか色々あると思いますが、何で選ぶことが多いですか?
ニート彗星
私の場合は、どう移動するかっていう動きで選んでいくことが多いですね。
カーナ
なるほど、そうなるとまずは地形理解から始めるっていうことですね。
ニート彗星
ですです。地形で考えて選んだキャラの特性・アビを考えて、残り二人の編成だったりアビのOn/Offを考えたりしていきますね。バフの組み合わせパターンが増えるので、個人的には狭いマップより広いマップの方が好きです。
カーナ
なるほどなるほど。もう少し具体的に聞いていきたいんですけど、相手との相性がかなり大きな影響を与えるこのゲームにおいて、ギルバトの防衛って相手を選べないじゃないですか。そういうときの編成って、どういう考えでやられてますか?
ニート彗星
ギルバトの防衛は、正直2戦目以降の防衛はなかなか厳しくはなるので、1回で抜かれない編成を組むっていうのを意識してますね。その上で「ウソでしょ? そんなキャラ出してくるの?」みたいな意外なキャラを......、あぁだから意外性が高いとかって言われるのか(笑)
カーナ
ですね(笑)
ニート彗星
そっか、お相手が一番見る編成は防衛ですもんね(笑)
カーナ
ちなみに意外性のあるキャラを選ぶときはもう「こいつを使いたい!」っていう想いですか?
ニート彗星
そうですね。その上でその環境に適応するために、11月でいえばユウナにワンパンされないように魔法耐性やHPを盛りつつ......みたいな感じですね。ちなみに11月のギルバトでは結構「光の戦士・レイン・アイリーン」っていうパーティを組んでいて。
カーナ
おぉ、ダブルタンク!?
ニート彗星
ですね。相手の1番と2番のキャラが直進して攻撃を仕掛けてくるのをタンク二人が耐えているうちに、アイリーンが対面の攻撃をまずは耐えた上でドレフォをして。で、相手の3番手をアイリーンが先に倒して、耐えてるタンク二人の方に合流する、みたいなイメージで設計しましたね。
カーナ
それはアイリーンを輝かせたかった、っていう想いで作られた編成だったんですか?
ニート彗星
そうですね。あとはこの編成って、総攻撃が1600、総魔力が900くらいなんですよ。
カーナ
中身がわからなすぎる(笑)
ニート彗星
そう。そう思ってもらいたくて(笑)
カーナ
ちなみにいわゆる「テンプレ」と呼ばれる編成が、月々のマップごとに出てくると思うんですけど、そういう編成にはしようとは思わないですか?
ニート彗星
んー、やっぱりテンプレ編成って、強いんですよ。テンプレになるくらいですからね。でも個人的には、強キャラを使うより強キャラを倒す方が好きなんですよね。なので、どうやって強い編成を倒せるか、それも意外性のある編成で倒せないか、みたいなことを考えているのが楽しいっていう感じですね。
カーナ
なるほど、例の裏ボスが異常なほど強いゲームをやっていた時と同じ感覚っていうことですね(笑)
回避に生きた男の根底に流れていたのは、幼いころから育んだジャイアントキリングの血脈。どれほどの難易度の高さにも、心を折らずに解決方法を考え抜く。それ自体がタクティクス要素のあるゲームの、一つの楽しみ方ともいえるんだと思います。
ニート彗星さんのお話を聞いていると「もっと考え抜けるよ」と、つまり「もっと楽しめるよ」と言われているような気がしました。
そんなニート彗星さんが、隠居されるまでの日々を過ごしたギルド『パルチザンD.C.』について、後編では熱く語っていただきます!
次回、interview with ニート彗星後編『家族の絆に、別れはいらない』
どうぞお楽しみに!
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