幻影戦争のプレイヤーにスポットライトを当てる「Insight Of The Visions」。今回はトップギルドの一角「パルチザンD.C.」のギルマス、素敵大統領（以後、大統領）にインタビュー！ 後編の今回は、ギルドバトルについて話を聞いて来ました！
逆立ちしても勝てなかったギルド
カーナ
ではここで話のテーマを「ギルドバトルについて」としたいんですが、パルチさんは現在トップギルドの一角として君臨されていますけど、最初から順調だったんですか？
素敵大統領
最初に負けたのはカツサンド騎士団だったね。そこまでは無敗だった。
というか、そもそも今まで５位以下に落ちたことはないはず。ﾒｲﾋﾞｰ。
カーナ
はー、それはすごいな！ 当時パルチさんより上位にいたのは……
素敵大統領
カツサンド騎士団、チョコボ団、ＬＥＧＩＯＮの３ギルドだね。
カーナ
なるほどなぁ。ちなみに自分は３月くらいのパルチさんからしか知らないんですけど、元々そんなにいわゆる廃課金っていう人多くはなかったですよね？？
素敵大統領
カツサンド騎士団を倒すまでは、普通に無課金とかいたよ。
カーナ
一方で環境的には、最初の頃の方が廃課金と無課金の差は大きく出てませんでした？
素敵大統領
初期が一番エグかったね。エンゲルベルトが多い方が勝つゲームだったわ。今と違って『愛の誓い』のヘイトが切れなかったしな。
カーナ
わー、それは確かにエグい（笑）
素敵大統領
だからエンゲルベルトがマジで突破できなかった。メディエナとかもいたけど、それでもキツかったな。そもそもＬｖ７９で強い時代だったから、そんな中でＬｖ９９を揃えた廃課金に挑むのは厳しい。
カーナ
なるほど。
素敵大統領
今のＥＸみたいなもんよ。そういう意味ではＥＸも、そのうちきっとみんな追いつく。
カーナ
確かに、そのうち配布が増えたり、何らかの緩和は行われるんでしょうね。じゃパルチさんは、当時上位を争う中では平均ランクとしては低い方のギルドだったってことですかね？
素敵大統領
カツサンド騎士団、チョコボ団、ＬＥＧＩＯＮ、パルチっていう並びの時は、圧倒的に低かったね。
カーナ
そんな中でどうやって勝ちにいったんですか？
素敵大統領
いや、その３つには逆立ちしても勝てんかったよ（怒）だからギルド内の仲の良さの向上と、モチベーションの維持に走った。
カーナ
おー、なるほど。
素敵大統領
やっぱり、無敗のギルドにとって一敗目のインパクトって大きいんよ。糸が切れるというか。きっといつかその瞬間が来るというか、綻びが出てくる時が来るだろうと思ってたね。
カーナ
なるほど、だからとにかく上位３ギルド以外には負けないようにしつつ、内政に力を入れてその時を待った、っていうことですね。
素敵大統領
そうだね。で、ＬＥＧＩＯＮが解散になって少し経った頃、フローズ（ギルド：フローズヴィトニル）が上がってきた。うちが上位３ギルド以外で初めて負けたのが、そういやフローズだったわ。
カーナ
おぉー、そういう展開なんですね！ フローズさんも、やっぱりさすがですね。
ギルドとして、編成を磨く
カーナ
ちなみにパルチさんは最初から指揮制だったんですか？
素敵大統領
ギルバト開始当初から指揮してたよ。当時は大統領が週７で指揮してた。
カーナ
それは大変ですね……。
素敵大統領
さすがにたるくなってきて、出来そうな奴にどんどん指揮させていったった。
カーナ
「出来そう」って、どういう観点で選んだんですか？
素敵大統領
ギルド内にある程度在籍しており、自分で編成を考えられる力を持っており、ギルド内である程度信用を獲得してる奴だな。ちなみに大統領以外で最初に指揮官になったのはニト。
カーナ
へー！ ちなみに指揮制にしているがゆえに注意しているところや意識しているところはありますか？
素敵大統領
意識してるっていうか、ウチでは負けたら指揮のせい。指揮陣に対しては、指揮で負けたら担当させた大統領のせいっていう制度。
カーナ
なるほど、それを「制度」と言えるくらい明文化しているのはさすがですね。ところで、先ほど「自分で編成を考える力」っていう話がありましたが、パルチさんの中では編成の共有とかは積極的にされているんですか？
素敵大統領
あったりまえやん。ウチに全部持ってるの何人いると思ってんねん。
てか、上位全部やってんじゃないの？ それぐらい。
カーナ
まぁ、確かに（笑）
素敵大統領
例えばクラが強い編成を考えて共有する。それをカツ（カツサンドさん）や嗚呼（嗚呼サンドさん）、Freesiaがパクる。それだけでクラが４人になるという寸法よ。
カーナ
もはや悪夢（笑）
素敵大統領
とはいえ、そのメンバー以外は大抵マネできねぇから、ちょっと下の層でも実現可能な編成が練られ始める。１２月で言えば、大統領やイルミナが考えた編成があって、それがラインになる。そのどっちかを再現するか、それより強い編成作ってね、って。
カーナ
はー、なるほど。ちなみに大体いつ頃そういった編成は共有され始めるんですか？
素敵大統領
１２月に普及した編成は、初日のギルバト始まる前に開発されてたな。
ただ、中盤あたり飽き始めるけど。
カーナ
なんと！ そのスピード感はやっぱりすごいなぁ。
素敵大統領
誰かしらが開発してて、朝起きたら編成とやり方がギルド内に共有されてる。時間ない人はこれパクってねって。考えれる人は、勿論自分で考えてくれたまへ的な。
カーナ
はー、なるほど。
素敵大統領
ただそういった編成は、上位ギルド内では当然対策されていくから、月の前半には使えなくなるけどな。
カーナ
そうですよね、シビアな戦いが繰り広げられているなぁ。
素敵大統領
ちなみに、今だと黒猫（ギルド：Black Cat）がウチより練度高いのを出してくることがよくある。猫、浮き沈みは激しいけど。
カーナ
へーー！ それはすごい。
素敵大統領
なんやかんや、ランク差で勝ってるようなもんかも。
正直、あっちの方がよく研究してる。
カーナ
なるほど、その辺はやっぱり熱量もあるんですかね。
素敵大統領
そうかも。追う側の方が頑張る的な。
カーナ
うんうん。
素敵大統領
でもギルバトの勝敗が（全滅同士だった場合）手数の世界になってから、やってねぇ奴が３人混じると星６が相手に３人増えるってわけで。
カーナ
（ドキッ）
素敵大統領
これまで以上に、熱量とかモチベーションっていうのが勝敗を分ける部分は出てきているとは思う。
カーナ
ちなみにギルド内のモチベーションを上げる、あるいは下げないためにやっていることってどんなことがあります？
素敵大統領
ギルド内の仲を良くする的な話はさっき言ったが、あとは「モチベーションが落ちやすい瞬間」ってあるやん。そういう時には即座に手を打つかも。
カーナ
ほー、それは例えば？
素敵大統領
アニバの国営放送でＥＸが発表された時、うちからは隠居も引退も出なかったべ？ まぁ、正確にはちょっと経ったら出たんだが。
カーナ
そうなんですね。
素敵大統領
その時に行った演説を特別に公開してやろう。涙腺崩壊せよ。
カーナ
おぉ、これはおどけた感じの言葉を選んでますけど、見事な感じに本質ついてる気がしますね。何よりそのタイミングで真っ先にこの手を打っていることがすごいな。
素敵大統領
これで、みんな無事奴隷に戻っていった。
カーナ
奴隷って（笑）
ちなみにこの件以外も含めて、パルチさんの中でモチベが下がって脱退みたいなケースが相次いだことはなかったんですか？
素敵大統領
あったよ。
最強のギルドであることを証明するもの
カーナ
それは、いつ？
素敵大統領
ギルドランキングで１位になった時。
カーナ
あー、なるほど。
素敵大統領
一気に4人が引退・隠居するってなって、代わりが見つかるまで待ってもらった。たまたまカツサンド騎士団の解散とタイミングが重なったから、何とかなったのは幸運だったけどな。
カーナ
それはやっぱり、一種の「燃え尽き」みたいなものなんですかね。
素敵大統領
そうやね。そもそも今のギルドランキングの仕組みって、１位を維持するのがめちゃくちゃ大変な仕様になってるんよ。
カーナ
それはトロフィーの増減の仕様がそうなっているということ？
素敵大統領
そう。１位にいるときは、２位を倒してもトロフィーは２０～３０くらいしか増えない。１位は一回負けると負けたギルドと大体８５ポイントぐらいひっくり返るね、相手の増えた分とこっちの減った分を合わせて。
カーナ
なるほどな、だからあんなに順位が変動しやすいのか。
素敵大統領
例えば１位のギルドが１０位くらいのギルドに勝っても、もらえるトロフィーは１０くらい。一方で、負けると６０近いくらい持っていかれる。だから、１位を目指しているときは良くても、いざ１位になると燃え尽きたり疲れたりで、引退・隠居が出てしまうのもわからんではない。
カーナ
大統領自身も、モチベーションがきつく感じることはある？
素敵大統領
ギルメンのモチベを維持させんのがギルマスの仕事だぞ。自分はわりとどうでもいい。
カーナ
じゃ逆の聞き方をすると、今なお頑張れている源泉はどこにあります？
素敵大統領
ギルドバトルが始まった時から、見据えているものがひとつ。
カーナ
それは？
素敵大統領
「レジェンドに一番最初に上がったギルドが、真のトップギルド」である。
カーナ
……！
素敵大統領
極端に言えば、それまではすべて過程に過ぎない。１位を取ろうとも、１位から落ちようとも。
カーナ
なるほどなーーー。それは確かに、ぐうの音も出ないほどに『最強のギルド』の証明になりますね。そしてそこを見据えている以上、現時点で１位になったとしても、燃え尽きる理由にはならないのか。
幻影最強プレイヤー決定戦について
カーナ
ところで、先日行われた「幻影最強プレイヤー決定戦」はだいぶ盛り上がりましたね。今回ありがたいことにお手伝いさせていただきましたが、大統領が大会を主催するって意外な印象もあるんですけど、思い立ったきっかけはどの辺なんですか？
素敵大統領
卍ザ・思いつき卍
カーナ
うん、まぁ気持ちはとってもわかりますが、もうちょっとこうさ……（笑）
素敵大統領
天下無双持ってるのって上位だけやないやん。そっちのギルドでも盛り上がってくれたらいいなと思いまして候。
カーナ
なるほど。天下無双を集めて、幅広いギルドが関われる大会を作りたかったっていうことですよね。
素敵大統領
そう。１１月にやったフェスの時さ、クラ対Freesiaが結構盛り上がったやん。
カーナ
うんうん。
素敵大統領
それ見て、じゃあ天下無双会開いたらおもろくねって言う感じ。
誰が一番強いかって、興味あるやん？
カーナ
それは確かに、間違いない（笑）
実際にやってみても、意外な編成があったり、まるで奇跡のような展開があったり。エンターテイメントとしても本当に盛り上がる展開になりましたからね。
素敵大統領
うむ。でも、運営は想像の３倍大変だったわ。もうやらね。
カーナ
確かに、色々やらせちゃいましたからね（笑）
まぁでも、また新たな天下無双がたくさん生まれるでしょうから、きっとみんなまた見たいと思ってますよ！
相変わらずの口調ではありますが、大統領の口から語られる言葉はやはり鋭さがあるというか、本質を突いてくるような言葉ばかりが出てきた印象でした。大きな目標から逆算して行動する、とはよく言われることではありますが、ゲームである以上その過程だって当然楽しむ、という姿勢を貫いているように感じました。
前後編を通じて、僭越ながら同じギルマスという立場だということもあり、とても共感できる部分や学べる部分が多かったように思います。真似できるところは真似をし、とても真似できないと思うところは参考にしつつ（笑）、はたしてどこが最初にレジェンドに到達するのかを楽しみにしたいと思います。
願わくば、その前に一度くらい、一矢報いたいという野心を抱きながら。
それではまた、次の幻影戦士の物語でお会いしましょう。
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